2008年10月5日日曜日

ムンバイ住宅事情(大家との交渉編)その1

色々な方がブログで書いていらっしゃるように、ムンバイでの住宅確保は本当に大変です。理由を箇条書きにすると、
1)外国人向け物件が少ない
2)居住地区が限定されている
3)情報が圧倒的に不足
4)大家との交渉が無茶苦茶大変
といったところでしょうか。
上記の1)~2)については、いろんな方々が叙述されているので割愛しますが、3)と4)については、私の体験を踏まえ、少し突っ込んで書いてみたいと思います。


【不動産物件の情報不足】
IT大国と豪語する割には、この手の不動産情報が全くインターネットで検索できません。不動産情報は、すべて不動産エージェントを通じて、彼らの知人の紹介物件のみにアクセスできます。ですので、何件の物件を見て回れるかは、彼らがどれほど友達もしくは親類がいるかにかかっています。(笑)これまで、4社を使い、30件以上見学に行きましたが、どれもこれも、提示した条件(5つくらい)のうち、良くて2つ、悪ければなにもあてはまらないものばかりでした。不動産会社の横のつながりがないため、業者が紹介する物件がダブることはないので、良いのですが、いかんせん見学に行くのがいちいち大変で日本では信じられないことばかりです。まず、紹介する物件を、不動産会社の社員が見たことがないため、どこに行くにも道を聞きながらいくことになります。さらに、不動産会社の信用がないためか、物件の鍵を預かっていませんので、必ず大家が鍵を持って来るまで現地で待たされます。間取りも、家族構成などをきちんと伝えて、ベッドルームの数、全体の広さ等リクエストしているにも関わらず、行ってこの目で見るまでは、全く信用できません。更に、価格については、いつも"Negotiable"という枕詞がついて、これまた事前に確実な価格を教えてもらえません(だから見当はずれな物件ばかりでてきます)。頼みのエージェントが全くと言っていいほど紹介する物件の情報を持っていないんですから、不動産探しが難航するのは当たり前ですね。。。。

不動産を見て回っていつも感じたのですが、この国で、システマティックで、きちんとした情報を提供できる、富裕層、外国人向けの不動産紹介会社を作れば、確実に成功すると思います。是非日本の不動産紹介業界には注目してほしい市場だと思いますよ、ほんとに。。。。

【大家との交渉】
一旦妥協できそうな物件が見つかっても、上述のような事情(特に価格)もあるため、大家さんとの交渉が一筋縄ではいきません。間に何人も利害関係者がいるようで、大家さんとの直接交渉という場面(だいたい、何で直接交渉が必要なんだよ!何のためのエージェントなんだ!)にも、少なくとも10人くらい、大家側、テナント側の人間が出席します。英語もまともに話せない、計算も上手くできない奴ら(これについてもインド人の英語力というブログをいつか書きます)が、うじゃうじゃいて、交渉の場にいた、という既成事実を積み上げてゆきます。(後で、俺もこの商売に協力したから、分け前をくれ!ってとこみたいですけど)。更に悪いことに、この街(おそらく国レベルでも)での不動産神話は、20年前の日本をはるかに凌駕します。ここ2~3年のトレンドの影響もあるんでしょうけど、価格が上がる話しかしませんね。。。ある意味ナイーブで幸せな人たちです。上記1)、2)のこともあり、基本的に物件は貸し手市場となっているため、どう考えても無茶な要求を、”駄目元(またこの話は詳しく書きたい!)で言ってきます。なんとか前提条件を整理し、価格に折り合いがついたと思っても、まだ安心できません。契約書を交わす直前まで、気が抜けない交渉を仕掛けてきます。私が体験したのは、「支払額はフィックスしてよいが、契約を2つに分けてくれ。ひとつは家賃、もうひとつは 家具のレンタル料」。まぁ、節税したいんだろ、くらいに思っていた私は、いいよ、と軽く答えたのですが、あとから送られてきた契約書には、「家賃1割、家具9割」の価格が書いてありました。いくらなんでも、ソファーひとつ(私は、家具の大半を日本から運びこんでいて、家具つきの家を探す必要がありませんでした)にそんな費用払う馬鹿いないだろ!その件でもめるだけもめて、結局この契約はご破算となりました。。。。。。結構良い物件(右下写真)だったので残念です。。。


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